知られざる複雑時計専門メーカー

KELEK

1896年創業、知られざる複雑時計専門メーカー

KELEK complication pocket watch
KELEK complication wristwatch
KELEK The Centenary Watch

KELEK logo

頑固一徹、複雑機械式時計に拘り1970年代からのクォーツ全盛期でも機械式時計だけを生産し続け、しかも職を失った時計職人を歓迎。常にムーブメントの設計開発も行い数々の高級時計メーカーを影から支えた知られざる複雑時計専門メーカー。
時計・宝飾 カマシマでは1994年に初めてケレックを輸入。ケレックの創業100周年を迎える1995年にはラ・ショード・フォンの本社にて正式に輸入契約を締結しましたが、1997年にブライトリングに吸収合併され、1999年にKELEKブランドの生産が終了しました。
砂時計をモチーフにしたロゴマークがスイス時計産業の屋台骨となっていたケレックらしさを象徴しています。
KELEKのブログ記事一覧

  1. 歴史
  2. 本社
  3. 創業
  4. 愚直
  5. 反抗
  6. 謙虚で情熱的
  7. 合併

1896年
アーネスト・ゴーゲラートがラ・ショード・フォンに創業。当初から複雑時計を得意としていました。

1959年
フォンテンメロン社(Fabrique d'ebauches de Fontainemelon)と共同で新しい時計組立ラインを設立。
ケレックはこの技術を導入したスイス初のメーカーになりました。

1970年代
クォーツ時計が急速に主流になっていく中で、職を失ったベテラン時計職人の多くの雇用。
時代の流れに逆らうかのように、デュボワデプラ社と意欲的に機械式の複雑ムーブメントを開発している。

1980年代
多くのベテラン時計職人が在籍していたケレックは成長を続け、38もの複雑時計機構の特許を取得し、スイス屈指の複雑時計製造メーカーに発展。

1990年代
機械式時計が流行、ケレックは100%スイス製部品を使用した複雑機械式時計の生産に対応した。

1996年
クォーターミニッツリピーター腕時計の100周年記念モデルを発表。
創業100周年を迎え、ラ・ショー・ド・フォンで複雑時計を生産し続けてきた功績が認められ、ケレックの時計8点がラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館に展示される。

1997年
長年のパートナー、ブライトリングと吸収合併を発表。

1999年
KELEKブランドの生産終了、103年の歴史に幕を閉じた。
そしてブライトリングが新たに建設した超ハイテク設備の時計工場“ブライトリング・クロノメトリー”を支えている。

創業以来変わらず同じ街で

ケレックの本社・工房はラ・ショード・フォンにありました。

ラ・ショード・フォンは2009年に隣接するル・ロックルの中心市街とともに「ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画」の名で2009年にユネスコの世界遺産に登録された。また、ラ・ショー=ド=フォンは、2003年、国際産業遺産保存委員会 (TICCIH) 産業遺産の製造業部門に登録されています。
KELEK La Chaux-de-Fonds

時計職人の労働組合にも参加

KELEK Ernest Gorgerat
創業者アーネスト・ゴルゲラート(Ernest Gorgerat)

1896年創業
当時のラ・ショー・ド・フォンは、活気に溢れ仕事意欲のある者がどんどん移り住んで来る街でした。
ちょうどこの頃、初めての労働組合が正式に組織化され、複数の小さな時計職人組合もこの労働組合に合流しています。

一方で、置時計や懐中時計などのメーカーも1887年にオロロジカル・マニュファクチャーズ協会を設立し、さらなるスイス時計産業の発展を掲げています。
オロロジカル・マニュファクチャーズ協会は後のスイス時計製造業者連盟(FH)となっています。

そんな時代背景のラ・ショー・ド・フォンでアーネスト・ゴルゲラートは積極的に時計職人組合に参加しながらムーブメント・メーカーとして起業しました。

第二次世界大戦中も日本とビジネス

KELEK Raoul Gorgerat
二代目ロール・ゴルゲラート(Raoul Gorgerat)

Business is Business 1939 to 1945
シャブロナージュを推進

第二次世界大戦中、スイス政府が国益である時計産業を守る為に様々な管理をしたり、輸出先諸国の高い関税率で輸出困難な時でも、ドイツがスイスを脅かしている時でも、仕事は仕事と割り切って取引先である日本やドイツに貴重な時計部品やムーブメント等を終戦まで輸出し続けた。
ある時は潜水艦に積んでまで...

皮肉な事に戦後の日本が完全復興した1969年に、クォーツ式腕時計を開発したSEIKOがスイス時計産業界を脅かす存在となるが、後のKELEK社長ガブリエル氏は機械式時計だけの設計・生産を貫いている。

シャブロナージュ(chablonnage)とは、 フランス語のシャブロンから派生した言葉。
時計という完成品に課される高率の関税の支払いを回避するために、シャブロン(chablons)、すなわち時計部品のセット、もしくはムーブメントそのものを輸出し、輸出先でこれを組立てムーブメントを生産することを指す。

スイス時計協会の価格統制に反対

KELEK Jean-Raoul Gorgerat
三代目ジャン・ロール・ゴルゲラート(Jean-Raoul Gorgerat)

1959年 SAGITER結成
ヌーシャテル大学の経済学科を卒業したジャン・ロール・ゴルゲラートはスイス時計協会による時計部品などの価格統制に反対し、マニュファクチュール・グループ“SAGITER”を結成しリーダーシップをとった。
Sandoz, Aetos, Gorgerat, Invicta, Tech Eska, Radoの頭文字をとって“SAGITER”とした。

この時、自社の時計生産体制を見直し、競争力のある真の工業価格を創出しようとフォンテンメロン社と共同で、フランスのSORMELの時計組立ラインをスイスで初めて導入。ジャン・ロール・ゴルゲラートは語っている「スイスでは誰も勇気を出して初めの一歩を踏み出せないでいたんだ」

1960年 KELEK誕生
最新技術の時計組立ラインによって生産されたムーブメントの販路を拡大するべく、自社ブランドKELEKを設立、時計生産を開始する。
※KELEKはアラビア語で『いかだ』を意味しています。メソポタミア文明(世界最古の文明)の時代にティグリス川とユーフラテス川流域で安全に人や物資を運ぶ船として非常に重要な役割を担っていました。

フォンテンメロン社(Fabrique d'ebauches de Fontainemelon)
数あるエボーシュ製造専門会社の中で最も古い1793年に設立された老舗メーカー、1985年にETA社と合併した。

譲歩や妥協という言葉を知らない

KELEK Gabriel Feuvrier
4代目ガブリエル・ヒュブリエ(Gabriel Feuvrier)
“私は他者のようになるつもりはありません”

『頑固一徹』時計技術師あがりの叩き上げの社長
ガブリエル・ヒュブリエは、クォーツ式の腕時計が出始めた波乱の時代1970年にケレック社長に就き、多くのスイス時計メーカーがクォーツ式時計に移行する中、複雑機械式時計だけを生産。職を失った時計職人達を歓迎して雇用した。のちに訪れる機械式時計ブームでは、歓迎した沢山の時計職人達と今まで培ってきたムーブメントメーカー同士の強い絆のおかげで、100%スイス国内産の完全な時計生産体制に対応する事が出来た。
ガブリエル・ヒュブリエ率いるケレック社は特にデュボワデプラ社と親密な関係にあり、意欲的に機械式の複雑ムーブメントを開発している。

1970年から2000年まで社長を務めたガブリエル・ヒュブリエ氏(Gabriel Feuvrier)は時計界への功績を評価され、1999年、ラ・ショー・ド・フォン国際時計博物館よりガイア賞(企業家部門)を与えられています。
PRIX GAÏA 1999 – GABRIEL FEUVRIER. CATÉGORIE ESPRIT D’ENTREPRISE

1997年、BREITLINGに吸収合併

ブライトリング・クロノメトリー
1990年代
衝撃的なクォーツ旋風から20年、1990年代に世界的な機械式時計ブームが到来。黙々と機械式ムーブメントの開発を続けていたケレックは一気に開花した。
汎用ムーブメントをベースに、複雑機構モジュールを開発するアイディアでクォーター・リピーターや5ミニッツ・リピーター、永久カレンダー、世界最小自動巻クロノグラフ等、38もの特許を取得し次々に発表。
これらのムーブメントの量産体制を築き、数々の有名時計メーカーに搭載されている。

1996年
創業100周年を迎え、クォーター・リピーターを搭載した“The Centenary Watch”を発表。
ラ・ショー・ド・フォンで複雑時計を生産し続けてきた功績が認められ、ケレックの時計8点がラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館に常設展示される。
1997年
長年のパートナー、ブライトリングと吸収合併を発表。

1999年
KELEKブランドの生産終了、103年の歴史に幕を閉じた。
そしてブライトリングが新たに建設した超ハイテク設備の時計工場“ブライトリング・クロノメトリー”を支えている。


1995年、カマシマで正式に輸入契約を締結した頃

KELEK display
ジュネーブの時計店で見つけたKELEKの店頭ディスプレイ
KELEK Gabriel Feuvrier with kamashima
バーゼルフェア会場のKELEKブースにて、ガブリエル社長と
KELEK headquarters
KELEK本社、工房の様子
KELEK in Museum at La Chaux-de-Fonds
ラショードフォン国際時計博物館に展示されていたKELEK
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